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冥府魔道 ――月蝕・第二章(後編) ◆9L.gxDzakI 「正宗を抜いておくべきだったな」 眼前のセフィロスが口にしたのは、字面通りの刀剣の名前なのだろうか。 薔薇を象った紫の太刀筋は、はやてを切り裂くには至らず、シャマルを傷つけたのみに留まる。 妖艶に輝く魔性の刃を、赤き鮮血がつぅっと伝った。 「はや、て……ちゃ……?」 困惑も露わなシャマルの声。驚愕も露わなシャマルの顔。 制服の胸元は瞬きの間に断ち切られ、豊かな谷間が外気に晒されている。 されど、よほどマニアックな男でもない限り、それに欲情することはないだろう。 風の癒し手の豊満なスタイルには、もはやその本来の魅力は宿されていない。 真一文字の刀傷は、深々と血肉を引き裂いていた。 一直線に引かれた真紅のラインから、どくどくと赤い蜜がしたたっていた。 その痛みさえも、既にシャマルの意識からは、驚愕によって押しやられているらしい。 「……何の真似や」 そのシャマルの驚愕さえも、意に介さぬ冷徹な声だった。 淡々とした口調と鋭い眼光。 家族を盾にするという凶行への弁明など、更々する気もなさそうな態度と共に、八神はやては問いかける。 仲間であるはずのこの自分に、いきなり刃を抜いたセフィロスへと。 「お前が下手な真似をしなければ、寸前で剣を止めるはずだった」 淡々と。 仲間を切り捨てるという凶行への弁明など、やはり更々する気などないといった態度で。 無感情なポーカーフェイスが、低い声で言葉を紡ぐ。 「そうしてお前の真偽を確かめるつもりだったが……もはやその必要もなくなった」 流水のごとき青の光。 シャマルの方へと向けられる魔性の視線。 主に裏切られ盾とされた、哀れな従者の姿を見やる。 どくどくと流れる血液が、管理局の制服を赤黒く染めた。 「私の知る八神はやてとは、愚直なまでのお人よしだ。 何がきっかけなのかは知らんが、他者を利用し陥れることを嫌い、他者を切り捨てることを嫌い…… ……たとえ自分が傷つこうとも、その目に映るもの全てを、その手で守り抜こうとしていた」 それはあるべきはやての姿。 かつてはやてであったもの。 父と母と足の自由を失い、孤独に生きてきた過去と。 夜天の書の新たな主となり、愛すべき家族と出会った誕生日の夜と。 嘆きと闘争の果てに出会った、銀髪と黒装束の悲しき娘と。 出会ったばかりの5人目の家族との、あまりにも早すぎた聖夜の別れ。 だからかつてのはやてはその道を選んだ。 自分と同じ悲しみは、誰にも味わわせたくはないと願った。 故に時空管理局へと入局し、命を守る者とならんとした。 嗚呼、されど。 最後の夜天の主の心には、今や根深き影が巣食ってしまった。 もう二度と失いたくないと思った大切なもの。 白熱の閃光を纏う漆黒の魔獣。 怪獣王ゴジラへの報復を果たすために――愛する家族を取り戻さんとするために。 歪んだ愛は憎しみへと変容し、八神はやてを鬼へと変えた。 復讐のため、一切の良心を捨て去った姿に。 修羅をも食らう羅刹となり、屍の山を築き上げる姿に。 かつての面影は、どこにもない。 故に。 自らと同類であるが故に。 同じでなかったはずのものが、同じ闇へと堕ちたが故に。 「お前は――『八神はやて』ではない」 片翼の天使は、静かに言い放った。 くわ、と瞠目する夜天の主。 冷徹さを貫いていたその表情に、微かな感情の揺らぎが宿る。 両の肩がわなないた。握られた右手がほどかれた。 支えを失ったシャマルの身体が、ごろりと無造作に床に転がる。 「……随分と勝手な言い草やな……」 それは刹那の間であったか。 それは永劫の間であったか。 やがて口を開いたはやての、双眸が細く引き絞られていく。 そこに宿されていたものは、先ほどまでの平静ではなく。 ぐっと奥底に噛み締められた、しかし誤魔化しようのない鋭き怒り。 「確かに私は変わった。変わらなければならんかった。 せやけどそれは、好きで選んだ道やない。たとえそれが冥府魔道であろうとも、それ以外に選べる道なんてなかったからや……」 嗚呼、確かにそれは認めよう。 八神はやては確かに変わった。 大切な家族を取り戻すために、手段を選ぶことをやめた。 数多の怪獣達を蹂躙し、惨たらしくその尊厳を陵辱し、心無き操り人形へと変えた。 そうまでしてでも、取り戻したかった。 血の赤にべっとりと染まったこの顔に、かつての笑顔は浮かばない。 死の赤にべっとりと染まったこの心に、かつての優しさは今はない。 だが、それでも。 それは八神はやてを捨てるための変化ではない。 それは八神はやてに戻るための変化に過ぎない。 何物にも変えがたき半身を奪い返し、かつての日常を取り戻すための戦いだ。 「何も知らんお前に……そないなことを言われとうない……!」 一度外道に堕ちた者は、二度と正道には戻れないのか。 血と骨で築かれた外道の仮面は、二度と剥がれることはないのか。 八神はやてを捨てた者は、八神はやてには戻れないのか。 そんなことは認めない。 そんなことを決めつける権利は、誰にもありはしない。 お前のような殺人者に、それを決めつける資格などない。 「私は私や! どんなに腐って汚れようとも、他の何者でもない『八神はやて』や! たった1つ残された私の存在……あの子らが身を挺して守った私の存在……誰にも否定なんてさせへんッ!!」 怒りと殺意の滲む声で。 右手を己の胸に突いて。 遂にはやては絶叫した。 冷徹な仮面の下に宿る激情を、漆黒の魔剣士へとぶちまけた。 言い終えると同時に身を翻す。 背中に負ったデイパックの肩紐を掴み、強引に己が身より引き剥がす。 びゅん。 フルスイングで、投擲。 ばりん。 鳴り響いたのはガラスの音。 烈音と共に打ち砕かれたのは、席のすぐ横に張られた窓ガラスだ。 店外へ弾き出された鞄を追うように、ソファー状の席を駆け上がる。 窓枠へと片足をかけたはやては、そこで再びセフィロスを睨んだ。 「生憎と、私の手元には接近戦用の武器しかない……お前と戦ったところで、命の保障がないんは分かっとる……」 一太刀で分かる。相手は剣術系の接近戦型だ。 素人目だが、恐らく攻撃速度はシグナムと互角。 いかにデルタギアがあるとはいえ、ろくに技術や経験のない格闘戦を挑むには分が悪い。 故にここは逃走を選ぶ。 たとえみっともない選択だとしても、次に確実に打ち倒すために、今はあえて背中を向ける。 「せやけどな……」 ああ、認めよう。確かにこれは自分のミスだ。 相手の残虐性を読みきれなかったが故に、こんな結果を迎えてしまった。 自分の正体を確かめるために、わざわざ刃まで向けるような相手であったことを読みきれなかった。 だが、このままでは終わらない。 絶対にただでは終わってやらない。 「次に会うときは必ず殺す! お前は私の手で、絶対にブチ殺したるッ!!」 憤怒と憎悪に歪んだ顔で。 セフィロスを指差すはやての形相に、やはりかつての面影はなかった。 ◆ 「――逃げるで、クアットロ!」 ばりんとガラスの音が鳴った後、クアットロの元に現れたはやては、何故か店の裏側からやって来た。 「ど、どうしたんですか急に……セフィロスの説得は……?」 「失敗した! アイツの思考を読みきれんかった私の落ち度や……早いとこ逃げんと殺される!」 片手に掴んでいたデイパックを背負いながら、眼前で早口で捲くし立てるはやて。 軽く取り乱してみせたクアットロだったが、実際にはこの返答の予想も、ある程度ついていた。 何せわざわざ窓ガラスから脱出してきたのだ。何らかの緊急事態でない方がおかしい。 故に内心では冷静に、駆け出すはやての後へと続く。 相手の油断を誘うため、わざと驚いた顔をしながら。 「に、逃げるってどこへ?」 「東の橋や! このままスマートブレインに直行する!」 「あっ……そういえば、シャマル先生は!?」 「アイツにやられた! もう助からん!」 「っ……そんな……!」 驚愕と悲嘆の表情を作った。 わざとそのように装った。 自分の語った設定上では、彼女は更生した自分を支えてくれた恩人だ。 故に敬愛するシャマル先生の死を嘆き悲しむかのように、わざと泣きそうな顔を演出する。 「ぼさっとしとったらあかん! 追いつかれたら、シャマルの犠牲まで無駄になる!」 叱咤するはやての声は力強い。 本来なら大切な人間であるはずのシャマルを喪ってなお、その声には覇気が残されている。 冷酷なまでの余裕。 これがクアットロ自身であればまだ納得がいった。 だが相手は、本来お人よしであるはずの八神はやてだ。 そもそも彼女が自分の知る彼女ならば、シャマルを見捨てて逃げたりはせず、無謀な戦いにも身を投じたはずだった。 やはり異なる世界のはやてには、人格形成の上で何らかの変化があったのか。 これまで抱いていた疑念が、更にその色を濃くしていく。 (適度に甘ちゃんが抜けて魅力的になったのは確かだけど……) 共に戦うというのなら、喜ばしい変化だ。 この八神はやてならば、余計な情に流されることなく、現状のように常に生き残ることを優先して行動するだろう。 だが。 その一方で、異なる感情を抱いたのもまた事実。 (……そろそろ切り時かしらね?) これでこいつの失態は二度目だ。 一度目はキングに騙された時。 そして今回、セフィロスに敵と認識されたのが二度目。 ヴィータにもセフィロスにも恨まれ、キングには殺人を犯したという証拠を握られた女。 「くそっ……なんでよその世界の私は、あんな危ない奴を仲間に引き入れたんや……!」 悪態をつくはやてを見やる。 彼女には敵が多すぎる。 改心した善人を装い、集団にもぐり込むことを目的とした自分には、いい加減邪魔な存在になってきたのではないか。 ならば近いうちに、手を切った方が得策ではないか。 エリアの境界を跨ぎ、廃墟と化した街並みへと踏み込んだ頃。 クアットロの脳内では、冷徹な思考が渦を巻いていた。 【1日目 日中】 【現在地 F-3】 【八神はやて(StS)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】健康、スマートブレイン社への興味 【装備】ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×3、スモーカー大佐のジャケット@小話メドレー、主要施設電話番号&アドレスメモ@オリジナル、 医務室で手に入れた薬品(消毒薬、鎮痛剤、解熱剤、包帯等)デルタギア一式@魔法少女リリカルなのは マスカレード、 デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード、カリムの教会服とパンティー@リリカルニコラス 【思考】 基本:プレシアの持っている技術を手に入れる。 1.スマートブレインに向かう。その道中でクアットロと情報交換を続ける。 2.ヴィータを戦力に加える。 3.クアットロを利用する(おかしな行動は絶対にさせない)。 4.ある程度時間が経ったらメールの返信を確かめる(多少遅くなっても良い)。 5.セフィロスを許さない。絶対に自分の手で殺す。 6.キングの危険性を他の参加者に伝え彼を排除する。もし自分が再会したならば確実に殺す。 7.首輪を解除出来る人&プレシア達に対抗する戦力の確保。 8.以上の道のりを邪魔する存在の排除。 【備考】 ※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだと考えています。 ※ヴィータ達守護騎士に優しくするのは自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています。 ※キングはプレシアから殺し合いを促進させる役割を与えられていると考えています(同時に携帯にも何かあると思っています)。 ※ヴィータと戦う事になったのはキングが原因だと断定しました(その事を許すつもりはありません)。 ※自分の知り合いの殆どは違う世界から呼び出されていると考えています。 ※放送でのアリサ復活は嘘だと判断しました(現状プレシアに蘇生させる力はないと考えています)。 ※プレシアの目的はアリシア復活で、その為には普通の死ではなく殺し合いによる死が必要だと考えています。 ※プレシアには他にも協力者がいると考えています。 ※施設には何かしらの仕掛けが施されている可能性があると考えています。 ※キングのデイパックの中身を全て自分のデイパックに移して、キングのデイパックも折り畳んで自分のデイパックに入れています。 ※図書館のメールアドレスを把握しました。 ※シャマル、クアットロと情報交換しました。 ※クアットロは善人のふりをして自分を騙していると確信しました(ただし、ある程度利用出来るとは思っている)。 ※エネルは海楼石を恐れていると思っています。 ※放送の御褒美に釣られて殺し合いに乗った参加者を説得するつもりは全くありません。 ※この殺し合いにはタイムリミットが存在し、それが決して長いものではないという可能性に気付きました。 【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】左腕負傷(簡単な処置済み)、脇腹に裂傷(掠り傷程度)、眼鏡無し、髪を下ろしている、キャロへの恐怖と屈辱 【装備】私立風芽丘学園の制服@魔法少女リリカルなのは、ウォルターの手袋@NANOSING、 血塗れの包丁@L change the world after story 【道具】支給品一式、クアットロの眼鏡、大量の小麦粉、セフィロスのメモ 【思考】 基本:この場から脱出する。 1.スマートブレインに向かう。その道中ではやてと情報交換を続ける。 2.はやての信頼を固めてとことん利用し尽くす。が、そろそろ切り時か……? 3.首輪や聖王の器の確保。 4.生きているフェイトが(StS)の方だった場合、接触は避ける。 5.ギルモンの分のキルスコアが活かせるよう、ボーナスの内容を考える。 【備考】 ※参加者は別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました。 ※アンジールからアンジール及び彼が知り得る全ての情報を入手しました(ただし役に立ちそうもない情報は気に留めていません)。 ※アンジールの前では『アンジールの世界のクアットロ』のように振る舞う(本質的に変わりなし)。 ※基本的に改心した振りをする(だが時と場合によれば本性で対応する気です)。 ※デュエルゾンビの話は信じていますが、可能性の1つ程度にしか考えていません。 ※この殺し合いがデス・デュエルと似たもので、殺し合いの中で起こる戦いを通じ、首輪を介して何かを蒐集していると考えています。 ※デュエルモンスターズのカードとデュエルディスクがあればモンスターが召喚出来ると考えています。 ※地上本部地下にあるパソコンに気づいていません。 ※制限を大体把握しました。制限を発生させている装置は首輪か舞台内の何処かにあると考えています。 ※主催者の中にスカリエッティや邪悪な精霊(=ユベル)もいると考えており、他にも誰かいる可能性があると考えています。 ※優勝者への御褒美についての話は嘘、もしくは可能性は非常に低いと考えています。 ※キャロは味方に引き込めないと思っています。 ※シャマル、はやて(StS)と情報交換しました。 何が何だか分からなかった。 シャマルはただひたすらに混乱していた。 第二回目の放送が流れた時、読み上げられた4つの名前。 10年来の仲間と同志。 機動六課で知り合った部下。 この殺し合いの場で、共に戦うと誓った少年。 またしても、守れなかった。 シグナムやなのは達のみに留まらず、ザフィーラ達の命までも救えなかった。 悲哀と自責が胸中で渦巻き、精神の均衡が崩れ去っていく。 そこに現れたのがあの男。 銀髪と黒衣のあの男。 いきなり刃を向けられた。 いきなり胸元を切り裂かれた。 いきなりはやてに盾にされた。 いきなりはやてに使い捨てられた。 信じていた主の裏切りと、眼前に散った血液の花弁。 まともな思考力を奪い去るには、十分すぎる衝撃の連続。 ガラスの割れる音と共に、はやてが1人で逃げていく。 はやての姿が見えなくなると同時に、胸の激痛を知覚していく。 「く……ぁ……あぁぁ……っ」 呻きが上がった。 のた打ち回った。 焼け付くような傷の痛みと、気が抜けるような失血感。 このままではまずい。確実に死ぬ。出血多量で命を落とす。 急速に実感していく死の恐怖。 それをもたらすのは頭上の男。 死期を早めるのは銀髪の剣士。 無慈悲に。無情に。 見上げた先の漆黒の袖が、刃を掴んで振り上げられる。 あれを食らえば、今度こそ自分は死ぬだろう。 あれが刺されば、今度こそ自分という存在は消えるだろう。 「い……いや……いやぁ……」 そんなのは嫌だ。 死んでしまうのは嫌だ。 自分が消えてしまうのは嫌だ。 うっすらと目尻に浮かぶ透明な雫。 内腿をじわりと濡らす金色の液体。 どくどくと乳房の谷間を這う鮮血。 「た、すけ……て……たすけて……だれか……っ……」 死にたくない。 何が何でも死にたくない。 怖い。 怖い。 死ぬのが怖い。 誰でもいい。誰か私を助けてくれ。 高町なのは。 フェイト・T・ハラオウン。 ヴィータ。 ユーノ・スクライア。 スバル・ナカジマ。 キャロ・ル・ルシエ。 「はやてちゃん……」 か細い声でその名を呼ぶ。 消え入る声で主を呼ぶ。 されど、声に応える者はなく。 されど、この身はこれほどまでに孤独。 「たす、けて……はやてちゃん……」 どうして。 どうして誰も助けに来てくれない。 どうしてはやては自分を助けに来てくれない。 「はやて、ちゃん……」 信じていたのに。 愛していたのに。 愛してくれると言っていたのに。 たとえ世界が違っても、家族であることに変わりはないと言っていたのに。 「はや、て……ちゃ……」 なのに何故自分はこんなにも孤独だ。 何故こんなにも無様な姿を、たった独りで晒さなければいけない。 「わたし……」 嫌だ。 こんな結末を迎えるのは嫌だ。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 死にたくない。 「しに、たく……な……」 ぐさり。 ◆ 湖の騎士の心臓は、はたとその鼓動を停止させた。 左胸を一直線に貫いた刺し傷からは、とめどなく血液が流れ出している。 横薙ぎに切り払った傷痕と合わされば、さながら不恰好な十字のようだ。 弔いのような。 呪いのような。 死と鉄の臭いの漂う湖に浮かんだ屍へと、深々と刻み込まれたブラッディ・クロス。 血溜まりに仰向けに横たわるシャマルだった亡骸を、セフィロスは静かに見下ろしていた。 シャマルは死んだ。 風の癒し手はこの手で殺した。 血と涙と小水にまみれた無様な死体を、たった今この手とこの刃で生み出したのだ。 決定的とも言える殺人を。 ヴィータの時には未遂に終わった仲間殺しを。 かつての仲間達との明確な決別の証を、遂にこの翠屋に刻みつけたのだ。 「………」 僅かに、額に皺が寄る。 微かに、顔がしかめられる。 ざく、と。 乱暴に叩きつけられた憑神刀(マハ)の切っ先が、木製の床へと突き刺さった。 てらてらと輝く赤黒い血が、魔性の凶器を染め上げていく。 (まだ悔やむか) 自問した。 ほんの僅かに揺らぎを浮かべる、己自身の形相へと。 ほぼ無表情でありながら、今にも泣き出しそうな気配を宿した相貌へと。 まだ痛むのか。 まだ苦しむのか。 八神はやてという形に、決別の刃を向けたことを。 八神はやてという形を、この手で明確に否定したことを。 ようやく見つけた居場所を手離し、仲間に牙を剥くことを。 いずれまた杯を交わそうと誓った、暖かな居場所を捨てたことを。 (今さら何を怖れている) 弱い心だ。 いつの間に自分はこんなにも腑抜けた。 そんなこと、今に始まったことではないではないか。 かつてニブルヘイムを訪れた自分が、迷いなく選び歩んだ道ではないか。 何を迷うことがある。 何を悔やむことがある。 剣を取れ。 前へ進め。 それ以外に道などない。 それ以外に救いなどない。 母なるジェノバの意志を貫く他に、この冷たき孤独の殻を破る術などない。 幾度となく胸の中繰り返し。 突き立てた切っ先を抜き放つ。 かつり、とブーツの音が鳴り、翠屋の店外へと足が向けられた。 からんころんという音と共に、扉を開いたその先には、既にはやて達の姿はない。 少しばかり間を空けすぎた。恐らく今から追いかけても、そう簡単には見つけられないだろう。 だが、扉越しに聞こえた口やかましいやり取りから、スマートブレインなる場所が目的地であることは分かっている。 ならば今すぐに見つけることはできずとも、時間をかけさえすれば、見つけること自体は難しくない。 やがて自分とあのはやての出来損ないは、再び相まみえることになるだろう。 そうなれば恐らく両者共に、出会った瞬間に殺し合う。 その時こそが、彼女の最期だ。 あのどこまでも八神はやてに近い姿をしながら、どこまでも八神はやてとかけ離れた女の最期の時だ。 今度は取り逃がしはしない。 確実に殺してみせる。 誰でもない己自身の、この手で。 【1日目 日中】 【現在地 F-2 翠屋玄関】 【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(中)、魔力消費大、全身にダメージ(小)、僅かな動揺、全身ずぶ濡れ、ジェノバ覚醒(ジェノバとしての思考) 【装備】憑神刀(マハ)@.hack//Lightning 【道具】支給品一式×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、 正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【思考】 基本:全ての参加者を皆殺しにする。 1.はやて(StS)とクアットロを追って殺す。 2.今はまだアンジールは殺さない。ぎりぎりまで生かし、最高の痛みと苦しみを味わわせる。 3.はやて(StS)、アーカード、仮面ライダーの娘(=柊かがみ)、アレックスは優先的に殺す。 【備考】 ※身体にかかった制限を把握しました。 ※アレックス(殺し合いには乗っていないと判断)が制限を受けている事を把握しました。 ※参加者は別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました。 ※トライアクセラーで起動するバイク(ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~)は 立体駐車場に埋もれていると思っていますが、運転はできないので無理に探すつもりはありません。 ※「仮面ライダーリリカル龍騎」における仮面ライダーの情報を得ました。 ※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があるのではないかと思っています。 ※アーカードの弱点が心臓である事を見破りました。 ※はやて(StS)を本物の「八神はやて」ではないと認識しました。 また、ヴィータもはやて(StS)を偽物のはやてと見なしている可能性が高いと思っています。 瞳孔の開いた虚ろな視線が、じっと天井を仰いでいる。 生命の光の宿らぬ瞳は、二度と安らかな眠りに閉じられることはない。 かくて喫茶店の店内には、たった1つの亡骸のみが残される。 シャマルの最大の不幸は、自分の持っていた支給品の効力を、最後まで確認できなかったことだろう。 具体的に言うならば、あのハネクリボーというカードだ。 遊城十代の相棒たるそのカードは、特殊効果を持ったモンスターだ。 それを発動することができたなら、セフィロスに浴びせられた攻撃を、少なくとも一度は無効化できたはずなのだ。 しかし、悲しいかなシャマルはそれを知らなかった。 ラッキーカードとなるべきそれは、かくして役立つことなく終わった。 あるいはその目でカードの精霊を知覚してもなお、玩具が武器として使えるという非常識な可能性を、信じきれなかったのかもしれない。 いずれにせよ、彼女はここで命を落とした。 心優しき風の癒し手は、二度と微笑むことはない。 銀幕芝居の綴り手に利用され、堕ちた夜天の主に見捨てられ。 しかしそれらを自覚することもかなわず。 誰からも助けられることなく、極大の死の恐怖の中、孤独にその生涯を終えたのだ。 そう。 どれほどもしもを重ねても、そこにさしたる意味はない。 意味を持つのは事実だけだ。 シャマルが命を落としたという事実。 セフィロスがはやてと敵対したという事実。 それがこの場に残された、たった2つの価値ある真実。 かくして月は闇へと沈んだ。 湖の騎士の命を贄とし、今ここに完全なる月蝕は成った。 銀月の魔剣士の気高き心は、今や朔よりも暗き深淵の中。 全ての良心としがらみを捨て去り、かつて星の破壊者として怖れられた堕天使へと、完全に戻ってしまったのだ。 英雄と謳われた人間・セフィロスは。 今はもう、どこにもいない。 【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡】 【残り37人】 ※F-2の翠屋店内に、シャマルのデイパックが放置されています。 Back 冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編) 時系列順で読む Next Barrier Jacket & Guns 投下順で読む Next Barrier Jacket & Guns 八神はやて Next 銀色クアットロ(前編) シャマル GAME OVER クアットロ Next 銀色クアットロ(前編) セフィロス Next バトルはやて
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大食漢走る 巨人の鼓動 ◆yZGDumU3WM 腹が減った。 如何なる環境であれ、人は腹が減っては動けぬ生き物だ。 武蔵坊弁慶——全身を筋肉で覆った縦横共に幅の広いこの男、馬鹿ではない。 その昔、寺の和尚に拾われ更生するまでは自動車やバイクの鍵をこじ開けて盗み、盗賊家業の足として使っていたし、 偶然墜落してきた戦闘機、ゲットマシンの修理をできなかった流竜馬を見かねて修理をしてやったこともある。 つまり、手先は器用、物覚えも悪くないのであるが、弁慶という男は単純な人間と見られがちだ。 まあ、実際問題、喋る蜥蜴を食料にしようとしたりと、本能に忠実でもあるが。 ゲッターロボという乗り手を殺す殺人マシンに適応する人間と言うのは「馬鹿か狂人」だとは盟友、神隼人の言葉だったか。 あれの基準で考えた場合、弁慶という人間はその中間。同じく盟友、流竜馬は馬鹿。神隼人は狂人だ。 決定的に世界に反抗する馬鹿でもなければ、ゲッターというモノに魅せられた狂人でもない。 あえていうなら、この二人の間でバランサーとして働く存在が弁慶だった。 かつてゲッターロボの危険性に誰よりも敏感に反応したのはこの男だったし、度々衝突する荒くれ者の竜馬と冷徹な隼人の間を取り持ったのも弁慶だ。 本人は気づいていないが、ゲッターチームと呼ばれた男達の中で一番常識人だったのは弁慶だった。 「腹が減ったぜ……あの銀色の奴、新手の<鬼>か? 馬鹿みてえにすばしっこかったな」 鬼——ゲッターロボに未来宇宙で滅ぼされた種族の末裔であり、人類の敵である生命。 御伽噺に出てくるような角の生えた、噛み付くことでゾンビのように仲間を増やす怪物ども。 弁慶の恩人である 寺の師匠を怪物に変えた仇であり、弁慶にとっては怨敵に等しい存在だった。 手に持った抜き身の日本刀を鞘に戻し、軽く宙を睨んだ。丸い顔が憎悪に歪む——普段はとぼけた悪人面が凶悪になる。 「もしも鬼だったら……ぶっ倒してやる。……ん?」 己が腰の鞘に収めた日本刀が、目に見えるようなただならぬ妖気を放っていることに気づいた。 青い妖気を放つ日本刀に煌きに、意識を吸い込まれそうになる。この刀、閻魔刀は悪魔に反逆した悪魔スパーダが息子に残した武具——所謂魔剣妖刀の類である。 並みの精神力の人間が持てば、その妖しく光る刀身に心奪われ、人を斬る悪鬼と化すであろう魔性の刀だ。 が、しかし。 弁慶はかつて妖刀の持ち主だった男である。 童子切丸。次元の彼方——異世界<黒平安京>で失われた筈の、ゲッター線を放ちあらゆる防御を切り裂く日本刀。 殺生丸という大妖怪と共に砕け、このフィールドの何処かに突き刺さっているであろうそれの存在を、弁慶は知らない。 なにはともあれ、その魔性は長い間、弁慶という人間の精神力を鍛えてきた。 ましてや、ミッドチルダに転移する前、異世界での最終決戦でゲッター線という総ての生命を取り込む<進化の意志>の支配に打ち勝った今の武蔵坊弁慶にとって、 閻魔刀の魔性は魅入られるほどのものではなかった。溜息をつきながら鞘に閻魔刀を押し込み、腰のベルトに差し込んだ。 今の弁慶は、ネオゲッターロボに乗っていたときの黄色いパイロットスーツを着た格好だ。耐圧服に似たそれは、並みの刃物や銃弾を通さぬ頑強さがあった。 とてつもなく重いが、常人離れした筋肉達磨の弁慶にはちょうどいいくらいだ。すばしっこい蜥蜴を追い回せたのだから、その異常な身体能力が窺える。 それにしても……この日本刀、超人的膂力で弄られてもびくともしない鋼の感触。まさしく妖刀の名に恥じぬ剛健さだった。 「こいつぁ……当たりの支給品なのかどうか、ってとこか。俺以外が持ったら危ねえかもしれねぇな……」 精神力の強い人間ならともかく、女子供が抜き身の刀身を持ったら危ういかもしれない。刀に心を喰われるかもしれぬのだ。 うんと太い見た目に反して運動神経のある弁慶は、背中のバッグから地図を取り出すと、それを読みながら小走りで走った。 周囲の警戒も怠らぬあたりに、この男がしぶとい事情があった。 と、地図の中心地を眺め、その動きが止まる。 声に出して呟く。 「地上本部だぁ?! やれやれ、ここはなんでも——」 弁慶の動きがさらにぴたりと止まり、地図のある一点に釘付けになった。 そこは、スーパーマーケット。あの、何でも揃う場所だ。弁慶は地上本部に向かっていた足を反対方向に返し、走り始めた。 じゅるり、とつばを啜りながら。 「なんだ、気が利いてるじゃねえか。食い物を見つけるなら、スーパーが一番だよなぁ……へへっ」 こうして、弁慶の足はスーパーマーケットに向かった。 目的——食い物を見つける為に。 (スバルたちと合流するのは、その後でもいいよな……) 男は歩むが——ふとある可能性に気づいた。 ネオゲッターロボ——その巨躯は、何処にあるのだろうかと。 四十メートルもの巨体が隠せる場所などない……いや、あるにはある。 「軍事基地か地上本部、だなぁ。後で確かめてみるとすっか」 【1日目 黎明】 【現在地 D-2 市街地西部】 【武蔵坊弁慶@ゲッターロボ昴】 【状態】健康 【装備】閻魔刀@魔法少女リリカルなのはStirkers May Cry 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0〜2 【思考】 基本:殺し合いを止め、プレシアを打倒する(どうやって戦うかは考えていない) 1.まずは食い物を確保するか。 2.スバル、ティアナと合流。 3.軍事基地か地上本部に行き、ネオゲッターロボの所在を確かめる。 【備考】 5話終了後からの参戦です。 ・自分とスバル、ティアナ、隼人の4人は、ネオゲッターロボごとここに送り込まれたのだと思い込んでいます。 また、隼人がどうして参加者の中に居ないのかという疑問を持っています。 ・隼人がこのゲームに関わっていないことを知りませんし、スバルの来た世界が自分とは違うことも知りません。 ミライが鬼ではないかと疑っています。 装備と今後の方針——都市部に近づきそれぞれの探し人を探す、ということを決め、下山するべく神社の階段を下りると、 驚くほど澄んだ空気が鼻腔に入り込み、男は久しく感じていなかった爽やかさを得られた。その体躯は筋肉で絞り込まれていて、贅肉が無い。 それから歩くこと半刻。 ふと、遠方に鳴り響く爆音に気づき、ゼストは足を止めた。 皺の刻まれた顔を歪め、都市を白夜の如く染め上げる閃光に気づいた。背後を歩く少女が怪訝な顔でそれを見て、呟く。 「なんだ、あれは……?」 「魔法の行使、か。なんと大規模な……」 銀髪の美麗な大妖怪、殺生丸が死の間際に放った、ゲッター線と共鳴せし命の輝きたる必殺。 絶大な<力>を持つプラント種、ナイブズに命の危機を感じさせるほどのそれは、都市の中心部を廃墟に変え、遠方からでも視認できる眩い光を放出していた。 続いて大規模な破壊がもたらす破砕音が二人の鼓膜を叩き、その強大な力を誇示するように鳴り響き——沈黙。 魔法、という聞きなれぬ言葉に、緑髪に金色の眼を持った美しい少女——CCが顔を顰めた。 「魔法?」 「……市街地では戦闘が始まっているようだな。生憎俺の使い慣れた武器は今ここに無い」 「危険だと?」 ぬ、と唸り、ゼストはそれを肯定。 今この男が所持している武器は、魔法を使える人間の為の端末——デバイスであるブリッツキャリバーだ。 最終リミッターが外され、ACSと呼ばれる強力かつ多大な負荷を使用者に強いるシステムの解放された武具の形状は、具足。 かつてゼストが率いていた部下も用いていた、車輪による加速を目的とした地上走破用の装備だ。 ローラーブーツとでも呼称すべき鋼鉄のそれは、陸上移動をする分には爆発的加速力を使用者に与えることだろう。 ゼストは空戦魔導師——飛行を長時間行える人間だったが、この広いフィールドを飛行で捜索するのは目立ち、得策で無いと判断。 また、CCに会う前に行った実験で、魔法の行使自体にかかる負荷も増大していることも確認済み。 ブリッツキャリバーの加速性能に頼ることは、戦闘行動を意味した——それゆえ今は装備せずに待機状態にしてある。 管理局屈指の実力者だったゼストは、体術でも後れを取るつもりはない——戦闘時に疲労を蓄積しない為の措置。 そして、この首輪。 プレシアへの服従を強いるこの首輪こそが、全ての元凶に違いなかった。 「さて、どうしたものか……CC、お前はどうするつもりだ?」 「ルルーシュを探す……と言いたいところだが、都市部の中心区は危険か。 人が集まる分、殺戮に乗った大馬鹿者もいるというわけだな」 「そういうことだ。咄嗟にお前を守りきれる保証も無い。それに……」 ゼストは、CCが無造作に拘束服のベルトに挟んでいるナイフ『スティンガー』の刃を見て呟いた。 黒光りするナイフは、かつてゼストが傷を与えた戦闘機人の武器だ。ナンバーズの五番目たるチンク——この戦いにも参加させられている少女。 スカリエッティの手下であり、この殺し合いに乗ることが容易に想像できる敵でもある。 「……お前では使いこなせんだろう、その武器も」 「文句があるのか?」 CCは艶やかな笑みを浮かべて言い返したが、ゼストは知らん顔をして先を急いだ。 この女と話すのは——どうも疲れる。あまり長い間相手をしたくは無いな、と思う。 「さあな……とりあえず、仲間を増やすのが先決か。我々だけではいかんともし難い」 「自分ではどうにも出来ない、か。役に立たない男だな」 「……」 無言。 男は、この少女の傲岸不遜ぶりに呆れ果てていた。 二人の足は、南西へ——己が復讐の為に刃を振るう悪鬼がその先に存在すると信じ、孤高の槍騎士は道を行く。 待ち受ける、己の知るそれと異なる“高町なのは”の存在に気づかずに。 【1日目 黎明】 【現在地B−3 平地】 【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】 【状況】健康 【装備】ブリッツキャリバー(待機状態)@魔法妖怪リリカル殺生丸 【道具】オリーブ抜きのピザ(11/12サイズ)@魔法少女リリカルなのはStylish、支給品一式 【思考】 基本:高町なのはを捜索、抹殺する。 1.プレシアの抹殺 。 2.ルーテシアの保護 を行う。 3.ひとまず行動を共にする仲間を増やす。 4.なのはと戦うことになれば、ギア・エクセリオンの発動も辞さない——己の命を削ってでも。 【備考】 ・なのはとルーテシアが『健全な』歴史(StS)から来たのを知りません。 市街地は危険だという認識を持ちました。 ・CCとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。 ・ブリッツキャリバーは、十話での殺生丸戦後からの出典です。 原作とは異なり、ファイナルリミッターが解除され、ギア・エクセリオンが使用可能となっています。 ・ギア・エクセリオンがゼストにかける負担の程度は、未だ明らかになっていません。 ゼスト自身は、自分のデバイスのフルドライブ同様、自身の命を削る可能性もあると推測しています。 【C.C.@コードギアス 反目のスバル】 【状況】健康 【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個(確認済み) 【思考】 基本:ルルーシュたちと合流する。 1.ひとまずゼストに身を守ってもらう。 2.向かってくる者は基本的には殺す。 3.ピザの対価を払う方法を考える。 【備考】 ・スバルが『StS』から来たのを知りません。 ・ゼストとの協力関係は、ギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。 ・「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっていることに気付きました。 ・再生能力も制限されている可能性があると考えました。 Back 幻惑の銀幕 時系列順で読む Next Little Wish(前編) Back 幻惑の銀幕 投下順で読む Next Little Wish(前編) Back クロノは大変な超人達を集めていきました 武蔵坊弁慶 Next 敵か味方か? Back ギブアンドテイクの契約 ゼスト・グランガイツ Next 空腹の技法 Back ギブアンドテイクの契約 C.C. Next 空腹の技法
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「魔法少女リリカルなのは」の略。 アキボーが崇拝しているアニメの1つである。 しかし、「なのはの好きな名ゼリフは?」と聞かれた時にエリオ&キャロ「闘って!!」やエリオ「僕たちが、みんながついてる。」など微妙なチョイスをした事により本当に見たのかどうか怪しくなった。
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魔法少女リリカル湾岸ミッドナイト ~永遠にわからない答え~ 世の中には答えのない問題がいくつも存在する。 その答えを見つけ出すのもひとつの人生の楽しみ方とも言えるだろう。 SERIES 1 運命(フェイト)① 西暦20XX年、第97管理外世界 ―地球― 東京 首都高速道路 都心環状線 ブロロロロ… 静かでシャープな排気音と共に白いすらっとしたメタリックボディの車が大きな橋を超える。 「この世界の車は元気がいいわ、まるで生きているみたいね…」 車の名は『フェラーリ・テスタロッサ』。 高級車らしく平べったいボディが目を引く390馬力で280キロ出るスポーツカーである。 フェラーリを操る金髪のドライバー、機動6課ライトニング分隊隊長『フェイト・T・ハラウオン』は機動6課の課長、八神はやてより出された任務のためにこの世界に来ていた。 任務の内容は「時空管理局より突然異世界に消失したロストロギアを回収せよ」であるが、正直「遊びに行け」の間違いだと長い付き合いの友人には言えない。 今回回収するロストロギアは驚くことに自分達の身長の半分も無い小型であり、時々暴走もするようだが大して驚く攻撃を放ったりしないそうだ。 つまり言い換えると、 『ほっとけば見つかる』程度の甘い考えでも見つかるのである。 滞在期間も(この世界において)1ヶ月と思ったより長い。 これはもうある意味「長期休暇」である。 個人的には早く終わらせたいのだが、忙しい激務をこなす毎日で少し羽を伸ばすのも悪くないだろう。 『はやて、ありがとう』 楽な内容だとわかって任務を選んでくれたはやてに罪悪感を思いながらも心の中で最愛の友人に感謝する。 初日の今日は周辺地域の聞き込みを夜まで行い、せっかくなのでパンフレットに書いてあったドライブコースとして話題のこの首都高速に乗ることにした。 「うわ……」 大きな橋、レインボーブリッジを抜けると、そこには美しい光の模様を描く大きい観覧車や0時だというのにやけに明るい町並みは、ミッドチルダよりは劣っているものだが、やはりここにはここ特有の『100万ドルの夜景』が広がっていた。 「綺麗……なのは達もここに来ればよかったのに。」 この楽に仕事ができる機会は滅多に無いので同僚のなのはを誘ってみたが、運悪く別の仕事が入っていたようで、仕方なく今回はフェイト一人で参加することになる。 ガラガラガラ…… 某所、静まりかえったガレージのシャッターが上がる音がする。 真夜中の闇に溶けるような2シートの藍色の車。 その前に立つのはリーゼントに近い髪型が特徴の優しい顔立ちの少年だった 服装はジーンズに純白のTシャツ。 どう見てもこれから車に乗ると言う行為を浮かべると何だか納得できない。 「油圧OK、水圧OK、アイドルOK……OK」 少年は車に乗ると、4点式のベルトを締め、キーを挿し、凄まじい轟音と共にエンジンをかける。 「さあ、今夜も走ろうか……Z」 少年は躊躇無くアクセルを踏み、ギアをローからセカンドに入れた。 首都高速道路 湾岸線 湾岸環八ランプ付近 「ここを回っているだけでも結構時間が潰れたわ。でももうそろそろ降りようかな」 時間は12時30分。 そろそろ事前に予約してた高級ホテルへ向かう時間だ。 帰るまで退屈なので何か音楽を掛けようと左手で中央のプレーヤーに手を伸ばす、 その時 グオオオオオ……! 「・・・」 それは一瞬の出来事、 背筋を伝う身の毛もよだつ寒さにも似た圧迫感 彼女の横を通り過ぎた、氷のように冷たいミッドナイトブルーの『それ』は強烈でまるで猛獣の勝利の雄叫びのような排気音を響かせながら、凄まじい勢いでフェイトがまだ見ぬ闇の世界へと消えていった。 「…なに……今の?車……?」 普段は冷静沈着で優しいフェイトの目は魔法をかけられたかのように見開いたまま凍っていた。 ハンドルを持つ手もマスターに動揺したのか、少しガタガタ揺れている。 あの車には別に悪い魔力は感じない。 しかし、あの車だけが放つ魔法とは違う独特のオーラが冷静なフェイトを動揺させていた。 『……ター……、マスター!起きて下さい』 「はっ!ぐっ…」 フェイトの魔法デバイス、『バルディッシュ』の一言で現実に引き戻され、目の前に映った大型トラックを手のひらに力を込めたハンドルさばきで左にパスする。 しまった、運転中だった。 もしバルディッシュが目覚めさせなかったら、自分は車と共にあのトラックの下敷きになっていただろう。 自分ならバトルジャケットを展開して無傷で生還するが、車などの質量が大きい物はそう簡単には元に戻らない。 と言うより魔法が存在しない世界で魔法を使うのはやはりルール違反。よほどの緊急時を除いて使用しない事にしている。 下手をすると魔法を使うことによりここから歴史が変わってしまう可能性があるからだ。 「ありがとう、バルディッシュ。助かった……」 すぐ近くのPA(パーキングエリア)にて車を停めると、さっきの出来事が気になって仕方ないのか疲労困憊のフェイトがシートに全体重を預ける。 『現在のマスターのコンディションからして、少し休んでみてはどうですか?』 「うん。そうするわ。予約してたホテル、キャンセルしてからね。これだと無事に行けそうに無いから」 そう言うと、携帯電話を取り出し、予約先のホテルへと電話をかける。 『はい、こちらは帝○プリンスホテルであります……』 「そちらのホテルへ予約を入れましたフェイト・T・ハラウオンと申しますが…」 キャンセルの手続きをするだけなのに長々と話が続く。さすが高級ホテル。手続きどころかキャンセルも長い。 ピッ。 「ふう…」 電話を切ると同時に糸が切れた人形の如くハンドルにのめり込むと目を閉じ、 「zzz…」 そのまま眠り込む。 眠り込んだと同時に車の中にあらかじめかけておいた防犯用の『プロテクション』の魔法が発動した。 このフェラーリ、外見は古いが、中身は最新型のエンジンを積んだ代物。 排気ガスではなく水蒸気を放出して大気中に放出する、クリーンな車、ようするに『エコカー』である。 流石に元の世界からほぼ毎日使う自家用車(モーター・モービル)を持ち出すわけには行かないので、ミッドチルダに新しく出来た解体屋にて万が一壊れてもいいようにこのフェラーリを破格の安値で購入。 しかも値段の割には見た目や足が良かった(普通に走れるレベル)ので中身だけを最新のエンジンに取り替えてもらった。 明日はロストロギアの調査を続行すると共に、あの車についても調査してみよう。 シート特有のベッドと似て非なる感じの感触に悩みながらも、今夜はここでゆっくりと眠ることにした。 (次回予告) その車は くるおしく まるで、身をよじらせるように 走るという…… 幾多の人間の魂を地獄へと送った『悪魔のZ』と恐れられる車。 機動6課からロストロギアの回収のために派遣されたフェイトはある日、偶然通りかかった奴の姿を目に焼き付けてしまう。 それを発端にフェイトの周りに集う走り屋達。 『ブラックバード』の異名を持つ腕利きの外科医、『島達也』 その柔らかな走りから最高のR乗りと呼ばれるモデル『秋川零奈』 そしてただ一人、悪魔に愛された男『朝倉アキオ』 今、湾岸を舞台に新たな物語が、始まる…… 次回、 魔法少女リリカル湾岸ミッドナイト 運命(フェイト)② 「くくく……、お前も魅せられちまったか、あのZに」 目次へ 次へ
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【名前】新庄・運切 【出典】なのは×終わクロ 【声優】釘宮理恵(「魔法少女リリカルなのは」のアリサ・バニングス) 【種族】人間 【性別】昼:切(男性)/夜:運(女性)《5 30~6 00の間に性別が入れ替わる》 【年齢】17歳 【外見】 華奢な体格に黒の長髪。右手に男物の指輪を嵌めている。白い装甲服を着込んでいる。 【性格】 やや引っ込み思案だが温和で倫理観の強い性格。6歳以前の記憶を失っている事もあってかなりの世間知らず。意外と毒舌で要らぬ事を言う。 【原作での設定】 異Gと戦い、戦後は移民達の管理も行う組織『UCAT』に所属する戦闘員。その特異な素性から秘蔵っ子扱いされている。 敵を殺害する事に臆していたが、佐山・御言との出会いで成長していく。 【『なのは×終わクロ』での設定】 大筋において原作と大差無し。ただし作品内でキャラの代替があるので、一部原作で出会うキャラを知らない。 Exーstはストレージデバイス、UCATは時空管理局という事になっている。 出雲&風見=なのは&フェイト&はやて ジークフリード=ギル・グレアム 趙・晴=リインフォース 三明=シャマル という具合に認識している。なので = の左手に記したキャラは知らない。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 [[]] 【技能・能力】 能力名 内容
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フェイトの雷撃が最後のムガンを粉砕し、戦闘は時空管理局側の勝利に終わった。 歓声轟き、放っておけば祝宴でも始めてしまいそうな程の異様な熱気の中、その男は独り彫像のように佇んでいた。 先程までの獅子奮迅の活躍とは別人のようなその静かな姿は、他の男達の熱狂の中、まるで別世界の住人のように周囲の景色から乖離している。 「時空管理局の高町なのは一等空尉です。ご協力ありがとうございました」 管理局局員ではない、恐らく地元の民間魔導師であろうその男――ロージェノムの傍に降り立ち、なのははそう言って敬礼する。 間近で改めて見てみると、こう言っては悪いが……異様な風体の男だった。 3m近い長身、鍛え上げられた逞しい肉体。浅黒い肌の胸と背中に残る、まるで巨大な何かに穿たれたような傷痕。 その外見も然ることながら、何よりも男から滲み出る気配――オーラとでも言おうか――が、一般の人間とは明らかに一線を画している。 ……この人は、只者ではない。 胸の奥の何か――心臓ではない、リンカーコアでもない何かのざわつく気配を、なのはは感じていた。 「……時空管理局?」 なのはの言葉にロージェノムは無表情のまま、しかし怪訝そうな声で問い返す。 何か後ろ暗いことがある――というよりも、初めてその名前を聞いた、そんな響きだった。 ロージェノムの呟きを聞き取り、なのはは眉を寄せる。 ミッドチルダは時空管理局のお膝元、この世界の人間で管理局の名を知らないということはありえない。 一部の例外を除いて。 まさか……? 一つの可能性に辿り着き、なのははロージェノムを見上げ、口を開いた。 「ご存知……ないんですか?」 「いや……」 なのはの問いにロージェノムは言葉を濁し、 「――ああ、初耳だな」 そう言い直した。 一瞬、ロージェノムの表情が動いた――ように、なのはには見えた。 その表情の変化と歯切れの悪い言動に僅かばかりの違和感を覚えながらも、なのはは己の推測に確信を抱き始めていた。 「……こちらも一つ質問して良いだろうか?」 頭三つ分以上高い位置から見下ろすように問うロージェノムに少し威圧されながら、なのはは「答えられることならば」と言葉を返した。 ロージェノムは首肯し、なのは達にとっては常識的な、しかしなのはの推測する人間にとっては非常識的な疑問を口にする。 「先程お前達は何の機械的な補助も無しに空を飛んでいたが……あれは、何だ?」 その問いに、なのはは自分の推測の正しかったことを知った。 この男は、時空漂流者――何らかの理由でこの世界に飛ばされた、次元の迷子だ。 ロージェノムと名乗る時空漂流者の移送、並びに時空管理局本部での事情聴取はフェイトが行うこととなった。 本当はなのはがやりたがっていたのだが、被害状況の調査や街の復興計画などの細々とした処理の指揮を任されてしまい、仕方なくフェイトにお鉢が回ってきたのである。 臨時の助っ人が何故そこまで……と思わないでもないが、これは一等空尉という肩書きが仇となったとしか言いようがない。 日々仕事に忙殺されているもう一人の親友のことを思い出し、偉くなるのも考え物だなぁーとフェイトは他人事のように思うのだった。 管理局本部への任意同行をロージェノムが二つ返事で了承したことに、フェイトは少なからず驚いていた。 これまでにも時空漂流者を保護した経験はあるが、こんなにもあっさりと了解を得られたことは少ない。 殆どの場合、何らかの形で抵抗されてきたし、それが当然であるともフェイトは思っていた。 右も左も分からないような場所に突如放り出され、その上訳の分からない組織に連行されようとしている……。 寧ろ抵抗しない方がおかしいだろう。 にも関わらず、ロージェノムはこちらの要求を何の迷いもなく受け入れた。 魔法の「ま」の字も知らないこの男にとって、時空管理局の名も馴染みがある筈などない。 警戒心というものがないのか、自分の実力に絶対的な自信でも持っているのか、何か管理局に近づく裏でもあるのか、……それとも、何も考えていないだけなのか。 表情一つ変わらぬロージェノムの顔からは何も読み取れない。 管理局本部への移送に、ロージェノムは一つの条件を出した。 ロージェノムが搭乗していた質量兵器――〝ラゼンガン〟というらしい――を本部に持ち込みたいというロージェノムの要求に、どうしたものかとフェイトは悩む。 時空管理局は質量兵器の保有、及びその使用を禁じている。 時空漂流者とはいえその規制に例外は無い。 そして第一……目の前のガラクタがまともに動くとはフェイトには到底思えなかった。 四肢は潰れ、尻尾は千切れ、胴体も崩れかけた、元は人型だったであろう質量兵器。 辛うじて無事と言える部分はコクピットのある頭部付近だけである。 ……どう見ても、粗大ゴミとしか思えなかった。 「あの……やっぱりこれで本部まで行くのは、幾らなんでも無理があると思うんですけど……」 危ないですよーやめましょうよーと安全性の面から説得を試みるフェイトだったが、ロージェノムは大破したラゼンガンのコクピットに足をかけ、一言。 「首から下など飾りに過ぎん」 ……無茶苦茶な科白だったが、何故かこの男が言うと物凄く説得力があるような気がした。 そしてその直後、フェイトはロージェノムの言葉の意味を知ることになる。 「ぬ……おおおおおおおおっ!!」 操縦桿を握り咆哮を上げるロージェノムに応えるように、ラゼンガンの両眼に光が灯る。 瞬間、ラゼンガンの頭部両側面、人間で言えば耳に当たる部分から腕が生えた。 両腕で首筋をがっちりと掴み、左右に捻りながら頭を引き抜くラゼンガン。 ……傍から見ていると、物凄くシュールな光景だった。 そうして苦労して首から引き抜かれた頭部には、やはりと言うべきか、小さな脚がしっかりと付いている。 「ほ、本当に飾りだったんだ。首から下……」 予想の斜め上をいくラゼンガンの驚くべき正体に、フェイトはただ唖然とするしかなかった。 「……どうした? 管理局とやらに行くのではなかったのか」 一頭身のラゼンガン――この形態は暫定的に〝ラガン〟とでも呼ぼう――のコクピットから、ロージェノムが怪訝そうにフェイトを見下ろす。 すっかり可愛くなってしまったその機体を眺め、フェイトは諦めたように息を吐いた。 武装も無いようだし、これならば問題ないかもしれない……と、思いたい。 「あの……貴方は、何者なんですか?」 問いかけるフェイトを一瞥し、ロージェノムは目を眇めた。 「事情聴取は管理局に着いてからではなかったのか?」 「私の純粋な好奇心から訊いているんです」 本部に着いてから色々とドッキリさせられる前に今の内に心の準備を……という本音は隠して、フェイトは答える。 ロージェノムは黙り込んだ。 表情こそ動いていないが、しかしその内心では物凄く困っていた。 自分は一体何者なのか――実のところ、その明確な答えをロージェノムは持たない。 螺旋王――否。 この身はクローン培養によって造られたコピー、記憶や知識は受け継いでいるが決してオリジナルの『ロージェノム』と同一の存在ではない。 大グレン団旗艦超銀河ダイグレン生体コンピュータ――否。 既に超銀河グレンラガンとは切り離され、再び一つの個体として活動している。 誰でもない、俺は俺だ――論外。 そもそもこの娘の疑問への回答になっていない。 消去法で次々と選択肢を消していき、ロージェノムは遂に一つの答えに辿り着いた。 「わしは……」 言いかけて、ロージェノムは自嘲するように唇の端を歪めた。 何様のつもりだ、「わし」などと……。 あの時、あの宇宙で、最後の最期まで共に戦ってくれた忠臣に自分は何と答えた? ――王ではない、今はただの戦士だ。ヴィラル……お前と同じ、な。 そうだ、自分は戦士だ。 たとえこの身が仮初の肉体、造られた人格だとしても、自分が一人の戦士として、螺旋の戦士として戦ったことに変わりはない。 シモン達と共に、大グレン団の一員として戦ったことに偽りはない。 吹っ切れたように小さく笑い、ロージェノムは改めて口を開く。 「――私は戦士。螺旋の戦士、ロージェノム」 威風堂々、胸を張ってそう言い切った。 宇宙とは、認識されて初めて確定する――それがこの宇宙の理である。 ならば自分自身の存在も、自分自身が認識した姿に確定するのではないか。 自分の信じる自分の形に……。 故にロージェノムは全力で信じる。 戦士としての自分自身を、自分の信じる自分自身を。 ロージェノムの示した回答に、フェイトは虚を衝かれたように目を瞬かせていた。 なのはが管理局に戻った時には、既に夜は明けかけていた。 ロージェノムはどうしているだろうか、フェイトの事情聴取は上手く済んだだろうか。 報告書を提出し、自分達の保護した時空漂流者について問い合わせたなのはは、事情聴取は依然継続中という答えに目を見開いた。 フェイト達がいつ頃本部に戻ったのかは知らないが、少なくとも日の入り前には着いていただろう。 そこから事情聴取にどれだけかけているのか、何時間時空漂流者を拘束しているのか。 管理局員としての常識を外れたフェイトの行動が、なのはには信じられなかった。 「フェイトちゃ……ん!?」 取調室の扉を蹴破るような勢いで入室したなのは、室内に揃った予想外の顔の前に思わず踏鞴を踏んだ。 「あ、なのはちゃんお帰りー」 にこやかな笑顔でなのはを迎える、八神はやて二等陸佐。 「君はもう少し落ち着きというものを持った方が良いな、なのは」 渋い顔でなのはを振り返る、クロノ・ハウラオン提督。 「うぉっ!? ……って、何だなのはかよ。ビックリさせんな!」 居眠りでもしていたのか、挙動不審なヴィータ。 他にもシャマルやシグナムなどの守護騎士の面々、ユーノ・スクライア司書長やアルフなど、なのはにとって馴染みの深い面々が狭い取調室に勢揃いしている。 そして極めつけは……、 「あらあら、まるで同窓会みたいね」 「リンディさんまで……」 湯呑み片手にほけほけと笑う管理局総務統括官の姿に、なのはは呆れを通り越して脱力した。 「もう……皆揃って何やってるんですか!?」 時空漂流者への長時間の不当拘束だけでも許せないというのに、こんな大人数で事情聴取など理解出来ない。 否、理解したくない。 これではまるで尋問である。 なのはの糾弾にはやて達はばつの悪そうに視線を逸らした。 「いや、まぁ……最初はフェイトちゃんだけで普通に事情聴取やってたんやけどなぁ……」 「ちょっと事情が変わって……というかわたしだけじゃどうしようもない展開になっちゃって、それで無理言って皆に来て貰ったの」 言い訳するはやてとフェイトに、なのはの眉が剣呑そうに吊り上がる。 「事情って……皆が一度に集まらなきゃ駄目な位大事なことなの?」 リンディを始めとして今この場に集まっている面子は、皆時空管理局の中でも重要な場所を任されている者達であるとなのはは思っている。 時空漂流者一人の事情聴取などという些事にかまけ、こんな所で油を売っている暇などない。 そういった意味でも、なのはは怒っているのだ。 はやてはフェイトとアイコンタクトを交わし、「驚かんでよ?」と前置きした後、真剣な顔でこう切り出した。 「なのはちゃん。ウチらな……今、アンチスパイラルへの対抗策話し合ってんねん」 「…………へ?」 はやての口にした予想外の言葉に、なのはは面食らったように間の抜けた声を上げた。 アンチスパイラル。 アンチスパイラルとは……あのアンチスパイラルだろうか? 四年前、ミッドチルダ北部の空港爆破テロと共に全次元世界に宣戦布告し、以来次元世界各地で質量兵器による破壊活動を行う謎のテロ組織。 目下、なのは達時空管理局にとって最大最悪の「敵」……! そのアンチスパイラルとロージェノムの間に、一体何の関係があるというのか。 なのはの疑問に答えるように、はやては部屋の奥に座るロージェノム――腕を組み、なのは達のやり取りを黙然と見守る異邦の戦士を一瞥し、そしてこう言った。 「とんでもないジョーカーやで、あの人は……」 天元突破リリカルなのはSpiral 第1話「貴方は、何者なんですか?」(了) 戻る目次へ 次へ
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火神——マーズ—— ◆Qpd0JbP8YI グリーンの部屋のドアを開け、彼との邂逅を得ようとしていた。 ――その筈だった。だが、 「ここは……何処だ……?」 いきなり見知らぬ場所に連れてこられての拘束/高町なのはの友人らしき人物の死/そして殺しあえ。 その次の瞬間には、また違う場所へ。 チェシャキャットのイタズラだろうか――否/動機が不明。 またヴァイオレット/マーチヘア/バロールの魔眼のように幻覚を見せる能力を有していない。 それに向こうもこちらの情報を欲しがっていたと思われる。 そのチャンスを見逃すほど、グリーンも愚かではない。 二つ目の可能性――管理局――先の戦闘で見せたARMSの能力を恐れての強行。 それも否――もう一つのARMS/キース・レッドの存在に対抗するために自分は有用。 また処分を考えての行動にしても目的達成には迂遠すぎる。 三つ目の可能性――管理局の敵対勢力/列車上にいたサイボーグ。 動機/目的/いずれも不明。だが、前者の二つよりは可能性が高い。 彼らについて、顎を手に当て考える。 ――思考は空白を維持――情報が不足。 より詳しい情報/あの場で主催者らしい女と接していた高町なのはとフェイト・T・ハラオウンに会う必要がある。 と、いつの間にか手に持っていたバッグに気がつく。 恐らくはあの女/プレシアの仕業――意図が不明。 確認のために中を開ける。 食料/水/ランタン/時計/筆記用具/コンパス/地図/名簿/車の鍵/そしてカードが数枚。 これで殺しあえというのか。思わず失笑が漏れる。 だが、自分にはARMS/人を殺すには十分なものがある。問題はないのだろう。 中にあった地図を広げ、この場を形成しているであろう地形を覚える。戦略や戦術において地理の把握は必要不可欠。 今後、どう行動するにしても、覚えておいて損はない。 続いて名簿に目を移す。 その内容に目が開く――キース・レッドの名前を確認。 このゲームの主催者/レッドを含む組織との等号が崩れる――それともレッドは廃棄処分にされたのか。 ――だが、これは好都合かもしれない。 首輪が爆発したところで、コアが大丈夫な限り、その傷はARMSの能力によって再生される。 よって、死を脅迫材料にして、行動を強要するのは無意味。 しかし、未だ全容を把握出来ぬミッドチルダの科学技術に魔法技術。 もしかしたら首輪だけによってARMSを殺すことが可能なのかもしれない。 その確認のためにもレッドの首輪を、彼が生きている状態で破壊することが必要となってくる。 そこまで考えて、一度名簿から目を離す。 そしてこれからの行動の指針を考える。 闘争は自分のプログラムの核/己の存在意義/故に殺し合いに忌避はない。 だがキース・ブラックの呪縛/戦闘生命としての生は終わりを告げた。 今更、また他人にその呪いの戒め/戦闘の強要をされる謂れはない。 今は自分の意志で闘いを選び、自分の道を歩いていくと決めたのだ。 ――それが管理局に入局した理由。 ならば、この闘争を管理局の勝利として終わらせるのが自分の道/自分の闘い――そして自分の意志。 まずは六課のメンバーと合流して、情報を纏めるべきか。 立体駐車場に並んでいる数台の車に順々にバッグの中に入っていた鍵を指していく。 ――やがてジープを思わせる車に鍵がはまる。 軽快なエンジン音、スムーズなハンドリング、安定したホールディング――悪くない支給品だ。 目的地/機動六課隊舎へ向かう。 他のメンバーが向かっている可能性、彼らがいなくとも何かの情報/武器がある可能性。 ――それらを考慮しての判断。 だが、思いの外、すぐに機動六課のメンバーとの再会を果たす。 車を出して数分後、車のライトに照らされた後ろに束ねられたピンク色の長い髪/ それと調和するようにあしらわれた騎士甲冑/右手に持つ剣/機動六課所属ライトニング02副隊長/烈火の騎士/シグナム。 ジープを降りて歩み寄る。 「シグナム、無事だったか?」 同じ職場の仲間を案じての発言――だが彼女の顔に浮かぶ微かな疑問/眉間に皺が寄る。 「……お前は私を知っているのか?」 質問の意図が不明/何かの冗談だろうか。 「知っているも何も同じ機動六課のメンバーだろう」 その言葉によって彼女の表情が正される。 自分の存在をちゃんと認識してくれたのだろう。 ――だが、返ってきた彼女の言葉は自分の予想とは、またかけ離れたもの。 「お前のことは知らん。悪いが記憶にはない。 ……だが、例え本当にお前とは知り合いであったとしても、私のやることには変わりはないはだろう」 どういうことだ――その疑問を口にする前に彼女が剣を構え、それを振りかぶり、迫ってくる。 「死ねっ!」 彼女の手には不似合いな大きな剣が、激昂の言葉と共に振り下ろされる。 切るという言葉は生易しく、正に破壊の体現/衝撃と共に破砕されるアスファルト。 それを跳んでかわし、確認のために問う。 「お前は本当にシグナムか?」 「……ああ、私は烈火の騎士、シグナム。だからこそ、お前には死んでもらう」 再び振るわれる大剣/明確な殺意を含み、命を摘まんと迫ってくる。 理由は分からないが、彼女はこのゲームに乗ったようだ――故にこちらも戦闘態勢に移行する。 それと同時に死と破壊を内包する剣が目前に迫らんとする。 だが、その迫力とは裏腹にそれは存外に見切りやすい。 その大きさゆえの初動の遅れ/その重さゆえの二撃目/斬り返しの遅れ。 ――容易にかわすことが出来る。 加えて、先の模擬戦において愛剣/レヴァンティンを持つ彼女との対峙。 それと比べれば、遜色は明らか。 隙を見つけ、そこに蹴りを入れ、更に怯んだ隙に起動したARMSの腕を叩き込む。 しかし、流石はシグナムといったところか――致命傷は避ける。 そこに驚きはないが、一つに気にかかる点――ARMSを起動した瞬間、シグナムが見せた表情/驚愕/戸惑い ――そこに生まれる疑問。 「本当に俺を知らないのか?」 返答は沈黙――恐らくは肯定を意味。 より詳しい情報を望むが、今の彼女からそれを得るのは難しいだろう。 それならば情報は惜しいが、他の管理局員に被害が及ぶ前にシグナムを殺すことが得策か。 滲み出たその殺意に呼応するように、彼女は剣を手に襲い掛かる。 だが、それは無意味。 シグナムの能力/戦い方は既に知っている。 反対にシグナムはアレックス/シルバー/ARMSの能力/戦い方を知らない。 それは戦闘における一つ一つの判断速度に差をもたらし、時間の経過と共に二人の優劣をより明らかにしていく。 そして再びシグナム身に刻まれるARMSの爪痕――出血と共に堪らず片膝をつく。 それを悠然と見据え、左腕に力を込め、ブリューナクの槍/荷電粒子砲の発射態勢に入る。 しかし、心に感じる躊躇い――眼前にいるのは間違いなくシグナム/管理局員。 故に確認のために最後に問う。 「お前は管理局員ではないのだな?」 シグナムは瞑目し、その答えを考える。 騎士としての矜持/命の重さ/使命感を天秤に載せながら……。 そして紡がれる言葉。 「……お前ほど強さを持っているものと出会っていれば、覚えている。 出来ればレヴァンティンを持って、お前と戦いたかったがな……」 答えは否定――それならば容赦する必要はない。 細められるシグナムの双眸からは、諦観とも取れる言葉とは反対に、折れることのない意志が見受けられる。 だが、それがどうしたことか。 ブリューナクの槍/焦点温度数万度――触れずとも、その熱と衝撃の余波だけで殺害は可能――必死は免れられない。 だが、光の槍はARMSからは放たれず、代わりに横合いから女性の甲高い声と共に 幾つもの固まりとなった光弾がアレックスに襲い掛かる。 「クロスファイヤー、シュートォッ!」 舌打ち一つ/発射プロセスを中断――急いで被弾圏内から離れる。 しかし誘導制御を受けた高密度の魔法弾にその対処法は無意味――距離を取って尚、威力を損なうことはなく、対象を狙う。 仕方なくARMSの腕を盾代わりに使用――衝撃と共に訪れる倦怠感/疲労/非殺傷設定の魔力弾の効果。 その射手は橙色の髪/ツインテール/手に持つ銃/機動六課スターズ03/ティアナ・ランスター。 彼女はこちらに銃を向けながらシグナムとの間に立った。 ■ 「大丈夫ですか?シグナム副隊長?」 支給されたデバイス、アンカーガンを油断なく構えながら、 シグナムのもとに歩み寄る。 「……ああ、すまん……助かった」 その一言は決死の覚悟で舞台に降り立ったティアナの心を沸き立たせ、喜ばせた。 シグナムを圧倒する存在。その前では間違いなく自分の実力などたかが知れている。 もしかしたら、シグナムの助けになるどころか、足手まといになってしまうかもしれない。 そういった不安は六課での経験、執務官補佐としての働きを経て尚、感じるものだった。 だけど、現状は予断を許さない。 その緊迫した状況は大切な仲間を失いたくないという一念により軽挙とも言われる行動に移させた。 私の行動は余計なものだったかもしれない――シグナムの元に近づきながらも、感じる僅かな不安。 だけど、それを綺麗に取り払ってくれるかのようにかけられる感謝の言葉。 自分の行動は正しかったのだ。 ――知らず知らずの内に頬が緩んでしまう。 とはいえ、いつまでも喜悦に浸り、油断をしている暇などはない。 表情に緊張を与え、アンカーガンを握る手に力を込める。 2対1になったからといって、相手が大人しくなる理由にはならない。 「私は時空管理局執務官補佐、ティアナ・ランスター。あなたを傷害及び殺人未遂の現行犯で逮捕します」 ハラオウン執務官の元で働き、身についた口上。 犯罪者に対して、ましてこの状況において、どの程度効果があるかもしれないけれど、 ある程度は脅しになる――そう思っての行動。 だけど、返ってきた彼の言葉は余りに予想とはかけはなれたものだった。 「俺は時空管理局機動六課所属、アレックスだ。このゲームには乗っていない」 耳に届けられる言葉は余りに馬鹿げたものだった。 よりにもよって自分がかつて所属し、既に解散してしまった部隊名を名乗りあげる。 その明白すぎる嘘は、思わず笑ってしまいたくなるものだった。 だけど、その滑稽な嘘に不思議と笑いは込み上げてこなかった。 代わりに感じたのは、かつてないほどの怒り。 犯罪者が、それも今、目の前で尊敬すべきシグナム副隊長の命を奪おうとしたものが、 自分が信じた正義を体現し、尊敬と愛着を感じていた部隊の名を騙る。 それは自分の過ごした思いを汚し、自分が築き上げた大切なもの全てを侮辱するようなものだった。 故に相手がどんなに自分を超える強さをもっていても、それは決して許せるものではない。 「ふざけんじゃないわよっ!!あんたなんかにっ……!」 我先にと口から飛び出す怒号。彼にぶつけられる怒りの言葉。 だけど最後までそれを吐き出す前に、中断を余儀なくされる。 胸に違和感――そこには何故かシグナムが持っていた剣が生えていた。 「……な……ん……?」 さっきまでの勢いが嘘のように言葉が生み出せない――何故だろう? だけど、言葉の意が伝わったのか、後ろにいるシグナムは答えてくれた。 「すまない……主のためだ」 耳に入る言葉に何故か納得。 意味が分からないが、彼女がここまですることなら仕方ないことなのかもしれない。 だけど、胸を貫く剣を見つめていても、何故か死の実感は湧かなかった。 胸に痛みはない――それが原因かもしれない。 そして、自分の気持ちを裏付けるもう一つの理由 《やっぱりシグナム副隊長が人を殺すなんて出来ないよね》 そう考えて安心 ――六課で過ごしたみんなとの日々が走馬灯のように映し出され、 その辛くとも楽しかった思い出が自分の考えにまた保証を加える。 やはり自分が感じた死の懸念は間違い。 シグナム副隊長に殺されたかと思ったなんて話したら、また彼女に殴られてしまうかもしれない。 そんな未来を思い浮かべて、ほんの少しの微笑を漏らす。 そして振り向き一瞬でもシグナム副隊長を疑ったことを謝ろうとするが、何故か身体が動かない。 彼女に殴られるという恐怖により身体が竦んでしまったのだろうか。 こんなことを知られたら、スバルはおろかエリオやキャロにまで笑われてしまうかもしれない。 そんな未来はごめんごうむりたい。 だから身体が動けるようにと、気を引き締め、 更に深呼吸をして身体を落ち着けてみようとするが、何故か息を吸うことができない。 代わりに自分でも驚くくらいの血を口から吐き出される。 《あれ?何で?》 心に浮かぶ疑問。それに対しての答えを思い浮かべようとするが、 内臓が擦れるこそばゆい感触――剣が引き抜かれていく感覚がそれを邪魔をする。 《何なのよ、こんな時に!》 思わず悪態を吐く。 人が必死になって考えようとしている時に、横槍を入れてくるのはスバルに決まっている。 また彼女が暇を持て余して、私のところにやってきたんだろう。 全く傍迷惑な子だ。 いい加減きつく言ってやらなければいけないかもしれない。 そう思いはするが、目に映るのはスバルではなく、近づいてくる地面の姿。 訳が分からない。取り合えず、受け身を取ろうと手を伸ばそうとするが、その暇もなく顔から着地。 痛い、と心の中で叫ぼうとするが、痛みなどなかった。 何なのだろう。状況に理解が及びつかない。 ひょっとしたら、夢を見ているのかもしれない。 この所、訓練づけだったし、疲れがたまっていたのだろう。そのせいかもしれない。 そういえばスバルにも早朝に、深夜にと、訓練をつき合わせてしまった。彼女もきっと疲れていることだろう。 今度の休みの日に、訓練のお礼として、いつものお店でアイスクリームでも奢ってやるとするか。 そうすればきっとスバルのことだ。喜んでくれるに違いない。 それにこんなに訓練ばっかしていたら、またなのはさんに怒られてしまう。 あの時は怖かったなぁ。まあ、でも自分が悪かったのだし、仕方ないか。 だけど、あれがきっかけでなのはさんともっと深く知リあえて仲良くなった。 情けなくはあるけれど、私の大切な掛け替えのない思い出……。 でも、何か変だなぁ。なのはさんに怒られたのは無茶な訓練して、模擬戦をやった後で、今じゃない。 あれ…………?今っていつだ? なのはさんに怒られて…………そう、ゆりかごでJS事件の決着がついて、それから六課が解散して……、 確か……フェイトさんの……補佐として働いていたはず。 その後は……八神特別捜査官に……呼び出されて、久しぶりに……えーと、六課の終結と喜んで…………それから……なんだっけ? ……ダメだ……。今は眠い。考えがうまく纏まらない……。 今日はゆっくり寝て、また明日考えることにしよう…………。 時間はまだたくさんある…………………………………………………………………………………………………………。 【ティアナ・ランスター@リリカル遊戯王GX 死亡】 ■ 現れたのは同じ機動六課メンバー/ティアナ・ランスター。 同じ管理局員と思った以上に早く会えるというのは好都合だが、状況が芳しくない。 恐らくシグナムと対峙している自分を敵と誤認。 また入局して浅い自分よりかはシグナムの方が信頼がある――それは自明。 ――故に誤解による戦闘を避けるために、ARMSを解除し、彼女に伝える。 「俺は時空管理局機動六課所属、アレックスだ。このゲームには乗っていない」 だがこの言葉を受けて、彼女の顔は怒りに染まる。 「ふざけんじゃないわよっ!!あんたなんかにっ……!」 言葉の中断――彼女の胸に刺さるシグナムのバスターソード それと共にもたらされる結論――ランスター二等陸士の死 「すまない……主のためだ」 微かに届けられるシグナムの言葉を思考。 今までの彼女の言動を思い返し、主と呼称していた人物を思い出す。 ――そして導き出す答え。 「……八神はやてのためか?」 この返答も沈黙。 だが、険しさを増す彼女の瞳は紛れもない肯定を示す。 動機が分かれば説得の道筋は立てやすい。彼女の行動を改めることが出来るかもしれない。 しかし、同時に疑問/自分にそれが可能か? 八神はやてとの付き合いの浅い自分に彼女を語る資格はない。 それにシグナムはもう仲間であり、部下であったランスター二等陸士を殺した。 後戻りは出来ないだろう。 ――故に説得ではなく、自分の認める強者としての会話を続ける。 「……何故殺した?」 幾重にも意味を込めた質問。 「……愚問だな。元より主以外は全て殺すつもりでいた。それが守護騎士である私の役目だ。 私の躊躇いや逡巡によって、主に危険が及ぶことは避けねばならない。 相手がお前のようなものやこの女のような管理局員であるというのならば、事は尚更だ。 主の命に比べれば、私の騎士としての誇りなど、何と軽いことか……」 饒舌とも言える回答/ランスター二等陸士の支給品を確認するための時間稼ぎ/阻止は可能 ――だが、彼女の言葉/思いの方が気になる。 言い終えると同時にシグナムはティアナが持っていたバッグから新たな刀を取り出す。 そしてその剣先をこちらに向け、不敵に笑う。 「レヴァンティンとはいかなかったが、これならお前にも遅れをとることはないだろう」 バスターソードと同じく規格外の武器。 しかし、それよりは彼女に馴染む剣/長大な日本刀 状況は最悪/仲間の死/仲間との戦闘 だが、目の前の彼女との闘いに喜ぶ自分がいる。 それを意識しながら再びARMS/マッドハッターを起動。 「いいだろう。俺もお前とは決着をつけたいと思っていたところだ」 【1日目 深夜】 【現在地 F-3】 【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】 【状態】健康 、疲労(小) 【装備】なし 【道具】支給品一式、はやての車@魔法少女リリカルなのはStrikerS、サバイブ"烈火"のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、 ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本 この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる 1.シグナムの排除 2.1の後、機動六課隊舎へ向かう 3.六課メンバーとの合流 4.キース・レッドの首輪の破壊 【備考】 ※シグナムに多少の違和感を覚えています ※キース・レッド、管理局員以外の生死には余り興味がありません 【シグナム@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】疲労(小)、胸に裂傷(我慢できる痛みです) 【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式×2、バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、ランダム支給品0~3個 【思考】 基本 はやてを優勝させるため、全ての敵を排除する 1.アレックスの排除 2.はやてとの合流 3.ヴォルケンリッターの仲間達との合流 【備考】 ※アレックスとティアナとのやり取りに多少の違和感を覚えていますが、さして重大なこととは思っていません 【支給品情報】 ※アンカーガン@魔法少女リリカルなのはStrikerSはF-3にあるティアナの死体が手にしています Back 柊つかさは殺し合いの夢を見るか? 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